手芸屋さんに行くと、ずらりと並ぶたくさんの糸が目に飛び込んできますよね。
糸は色の違いだけじゃなく、種類があるんです。
私は3年も趣味で洋裁を習っていたのですが、効率を重視する教室だったので先生から教えてもらったシャッペスパン(普通地用)という種類をいつも使っていました。
何でも縫える糸だと、購入する数が少なくなるので節約できます。
でも、「きれいに仕上げたい」「縫いやすい方がいい」と思ったらやっぱり生地に合った糸選びは重要です。
今回、きれいに仕上げたいけど糸の選び方がわからない初心者さんのために糸選びの基本について書いてみました。
この記事を参考に糸を選んで、縫いやすさと仕上がりの違いを実感してくださいね。
ミシン糸の種類と太さについて
ミシン糸は、素材や太さ・性質(伸び縮みする)で種類がわかれています。
生地の種類と作る物に合わせてミシン糸を選んでいきましょう。
まずは、糸の種類から見ていきます。
ミシン糸の材質選びで迷ったら
糸の材質には、綿や絹、化繊などがあります。
材質によってお値段も変わるので、作品にどの程度のクオリティを求めるかで材質を選んでもいいでしょう。
お値段的に手頃なのは、化繊で作られたミシン糸です。
化繊の糸は、丈夫で切れにくいので初心者さんにも縫いやすい糸になります。
生地や好みに合わせて糸を選びましょう。
糸の種類 | 繊維の長さ・原料 | 特徴 |
フィラメント糸 | 長い繊維 ポリエステルなどの化学繊維や絹 |
毛羽立ちにくく強い 光沢がある |
スパン糸(紡績糸) | 短い繊維 綿や麻などの天然繊維が多い |
少し毛羽立ちますが、やわらかい風合い |
ミシン糸にあわせたミシン針の選び方
糸の太さは、番手の数字が小さいほど太くなります。
20番手の糸はデニムなどのステッチに使われるのですが、太い糸で縫うにはミシンにパワーがいるので、家庭用のミシンで使うのは厳しいです。
薄い生地から一般的な厚さまで幅広く使えるのは50~60番手の糸になります。
糸の太さに合わせて、針の太さも変えましょう。
糸の番手 | 糸に合う針の番号 | 生地の種類 |
90番手 | 9号 | サテンなどの薄い生地 |
60番手 | 11号 | 一般的な厚さの綿や麻など |
30番手 | 14号 | キャンバスや帆布などの厚地 |
20番手 | 18~19号 | デニムなどのステッチ用 |
生地に合わせてミシン糸の種類を選ぼう
糸にも種類があるので、縫う生地に合わせて選んでくださいね。
洋裁ビギナーさんは、幅広い生地に使用できるシャッペスパンの60番を購入しましょう。
糸の種類 | 使用用途 |
シャッペスパンなどの一般的なミシン糸 | 服や通園カバンなど一般的な物を縫う時に使う |
ロックミシン用 | ロックミシンで使う |
レジロンミシン糸 | ニット生地を縫うのに使う |
ファインミシン糸 | 光沢のある糸 |
糸を販売している会社もいくつかありますが、FUJIX(フジックス)が販売しているシャッペスパンは、手芸店でも必ずといっていいほど目にする糸です。
私も洋裁の先生に勧められて、シャッペスパンの60番をよく使っていました。
60番だと、ほとんどの生地に使えるので、少しですが節約になります。
いくつか作品を作っていくと、だんだんいろんな色の糸が貯まってくるので、購入する頻度も減っていきます。
生地と糸の相性について
慣れてきたら、縫っている途中で糸が切れるのを防ぐために、生地の厚さに合わせて糸の番手を選んでみましょう。
生地の厚みは、使われている糸の太さ・糸の種類・織り方によってかわります。
同じ種類の生地でも織り方によっても微妙に厚さが変わるので、直接触れて確認できるとベストです。
ネット購入などで判断が難しい場合は、失敗を避けるためにも販売者に確認するのがおすすめ。
生地を触って確かめられない人のために、目安となる生地の糸の太さと種類も書いておきますね。
生地の厚さの分け方 | 生地に使われている糸の太さ | 生地の種類(目安にしてください!) |
薄地 | 80~100番手 | リネンガーゼ・ソフトチュール・サッカー ローン・ボイル・オーガンジー・ |
中地 | 50~80番手 | シーチング・サテン・ブロード・ツイル・ オックス |
厚地 | 20番手以下 | ジャガーニット・ニットフリース・4号帆布 |
おさらいで、生地の厚さに対応したミシン糸と針の種類を書いておきますね。
生地の厚さ | ミシン糸の番手 | 糸に合う針の番号 |
薄地 | 90番手 | 9号 |
中地 | 60番手 | 11号 |
厚地 | 30番手 | 14号 |
初めて購入するなら、糸の太さよりも糸の色を生地に合わせるようにしましょう。
初心者さんがまず選ぶ糸は
初めて糸を買うならおススメは、60番手のミシン糸です。
ミシン糸の50~60番手は、薄手から厚地の生地まで何でも使えて便利。
まだ洋裁をスタートしたばかりの初心者さんは、いっぺんに沢山の太さの糸をそろえなくても大丈夫です。
大切なのは、糸の太さよりも生地の色と同じ色の糸を選ぶこと。
少し縫い方を失敗しても、生地と同じ色の糸なら目立ちませんよ。
- 【ミシン糸の色と生地の色の合わせ方】
- 手芸店などでは、台紙に貼られた糸の色見本を置いています。店員さんに声をかけて借りましょう。
- 持参した生地(縫いたい生地の一部をカットして持って行きます)の上に色見本の糸を重ねて1番ミシン糸の色が目立たないものを選びます。
糸と生地を重ねてみると、見た目の色と生地の色が違うことに気づくと思います。
生地と重ねて糸の色をチェックすると、色選びに失敗しません。
まとめ
今回は、ミシン糸の色選びについてお伝えしました。
洋裁を始めたばかりの頃は、生地とミシン糸の色をあわせることに気をつけても、太さや素材には注意していませんでした。
ビギナーさんが糸を選ぶなら、シャッペスパンの60番手、ミシン針は11号が色々な布に使えるのでおすすめです。
大切なのは、布とミシン糸の色を糸の見本で合わせること。
ミシン糸の見本は、手芸店など専門店には置かれているので店員さんに声をかけて借りましょう。
慣れてきたら、作りたい物も増えてくるので、厚地にはそれに合うミシン糸とミシン針を使ってください。
その頃には洋裁の腕が上がって、「針と糸が違うと縫いやすさが違う」を実感できますよ。